帳票レイアウトのコツ

GeneXusで帳票を作成する場合、画面と比べて、レイアウトの調整に少々手間ががかかります。
綺麗なレイアウトをサクサクと作成するには、幾つかコツがありますので紹介します。

1)グリッド幅の調整

帳票レイアウトを見ると背景に点が打ってあり、
マウスでオブジェクトを移動させる際には、そのグリッド幅間隔で移動します。

グリッド幅の調整はツールバーの[ツール][オプション]の[エディター][レイアウト]で調整できます。




2)1ピクセルずつの移動

オブジェクトをマウスで移動する際にはグリッド幅間隔になるため、
微細な調整ができません。

1ピクセルずつの移動を行う場合はCtrl+矢印キーです。
または、プロパティで縦横の位置に数値を直接入力

線と線とつなげる場合など、最後の微調整はこちらで行ってください。



3)縦位置にマイナス数値を入れる

テキストブロックとテキストブロックが並ぶ際に、罫線を綺麗につなげたい場合、
普通に設定するとどうしても1ピクセル隙間が空いてしまう場合があります。

その場合は、罫線の縦位置にマイナスの数値を設定します。
「-1px」こうすると上のテキストブロックに重なる様に罫線が配置されますので、
綺麗につながって表示されます。

数値にマイナスが入れられるというのが意外と盲点だったりします。






4)背景画像の利用

罫線が大量にある場合、線オブジェクトでレイアウトするのはなかなか大変です。

その場合、罫線込みの画像を作成して、それを背景画像として配置します。
その上にデータ項目を配置することで、調整の手間が省けます。

但し、画像のサイズ調整が必要なのと、
生成されたPDFが画像分、少々大きくなってしまうのが難点です。



5)点線ではなく罫線の色を薄く設定

罫線や長方形のプロパティで、[Border Style]があります。
こちらを[Dotted]や[Dashed]に設定すると、点線・破線の表現ができます。

ただ、実際にPDFや印刷してみると、色が濃いので結構目立ちます。

枠の中に点線を配置する場合は、目立たせたくないために点線にすると思いますので、
これではあまり意味がありません。

その場合は、[Border Color]を黒ではなく灰色に設定すると、
良い感じにレイアウトすることができます。






ちなみに日本にGeneXusが来た時に最初に問題となった部分が帳票でした。
ユーザーから「点線はできないのか?」「長方形の角を丸くできないのか?」と言われ、
GeneXus社に問い合わせた際の返答が「何でそんなことしたいの?」でした。

何でって、、、書式が決まっているから。
その書式にどんなメリットがあるか、、、メリットは無いな。

といったやり取りがありまして、私は非常に面白かった思い出があります。

日本の帳票は細かくて、少しでも間違っていたらダメ、受け取ってもらえないという文化があります。
海外の帳票は罫線も無ければ、下手したら見出しすらなくて、
何を表示しているのかよくわからないものが多かったりします。

文化の違いという点にはなりますが、
それにどのようなメリットがあるかといえば、受け取る側が気持ちいいかどうかだけですかね。
必ず同じ位置に情報が出ていることは有益ですが、
点線や角丸までこだわるのはやり過ぎかなと思います。


ユーザーと開発者が一緒にシステムを作っていれば
それに価値があるかどうかを判断して、価値の高い作業をしていく方向になります。
相手のことも考えて、お互いに良い仕事をする。
それが楽しい仕事というものですよね。

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